黒龍
「クロちゃんはおっかないから、イヤッ!」
というのは数年変わらぬひめの言い分でして、どうも無印黒龍に植えつけられたトラウマが決定打となってるようですな。んが、今回P2Gはポータブルでは「初」となる「ステージギャップのある黒龍」というのが出来ちゃうわけです。Gクラスの防具で上位の黒龍行ったら即死はしねーんじゃねー?みたいな。
大体ひめのスキル構成で心眼を発動させたがゆえに付いちゃった「鈍足」を何とかしたいというのが懸案ですが、黒龍の眼をゲットして剣聖珠を作るのが良い、ということもあります。
で、行きましたよ「伝説の黒龍」。いやあ、死なねー死なねー。
はいずり食らってもブレス直撃してもせいぜい体力半減といったところ(ひめ:ざざみんZ)。なんとまあ。ていうか、じゃーGクラスのティガとかディアとかどんだけの攻撃力なんだっていう…。
一応黒龍(ミラボレアス)がP2と違ってるところを上げておきましょうか。
まず、脚裏に脚ハメの攻撃が入りだすとやたら咆哮するようになった、というところでしょうか。高級耳栓無しだとハメ継続は出来ない感じですね。
また、よく分からない変更としてバルカンやルーツのメテオ・落雷時の踏み出しアクションが入ってます。無論ボレアスだと何も降ってこないんですが…(初見のときはメテオくんのかと思って超あせった…笑)。踏み出す脚に巻き込まれなければ大変な連続攻撃チャンスです。ひょっとして設計そのものが「練習編」の意味を持たされてんのか?
この仕様が増えたせいかどうか、滞空そのものが減った気がします。片手剣なんか滞空から着地時に顔斬るくらいしか頭部への攻撃チャンスがないので、頭部破壊(3段階で眼まで行く)に時間がかかる感じですかしら。
そのくらいかしら。
んまあ、ひめと来たら一撃食らって「死なないっ!」となったとたんに狂喜乱舞でむちゃくちゃやり始めまして、平気で腹下(股)斬り付けるは、方向転換の尻尾にはたかれまくった挙句に頭キテ「尻尾ジャマー!切ってやるうぅぅぅー!」とか尻尾に挑むはで、通常の黒龍戦なら25分で10死くらいしそうな勢いでしたが、そんなでも無死でしのげちゃいました(25分撃退)。2戦目ともなるとだいぶ立ち回りも分かってきたみたいで、いっぱし風な感じになっちゃってましたね。やはり黒龍というのは「おっかねー」さえ乗り越えちゃえば、慣れるのは早いみたいです。
ひめ同様ミラ系トラウマっちゃってる方。今回はチャンスですぞ?
リニューアル大作戦
そんな感じでめでたく黒龍の眼も手に入りました。んが、ひとつの防具に一段落ついてみると、なんか違うの…と思うのが人の常。大体ひめもビッケももう何ヶ月も着た切り雀ですんで、いい加減「おニュー」が欲しくもなろうというもんです。
もっとも、ビッケの場合広域+2前提ですとフルフルZ以外ではリオハートZくらいしか選択肢がないんですが…ひめちゃんは?
「ひさびさに凛着てみよーかなー」
だそうで。軽く言いまするね。ていうかあれよ?かつての(MHG時代の)ひめが着てた凛とは見てくれ違うのよ?
「しってるもーん。ひめ5月病になるっ!」
「……?……五月人形のことかっ!難易度たけえボケすんな。ていうか全国の5月病の若者達に謝れーっ!」
ということで。世間じゃあ子供達が夏休みを前にそわそわし出す頃になんて時期外れな漫才やってんでしょうかね。
いや、しかし凛といったらやっぱ古龍素材てんこもりでいるんじゃね?と思いますれば、どうも凛・極はラオ素材以外は飛竜系で作られるみたいですね。良い構成です(笑)。
で、アイテムボックスをごそごそあさっているひめですが、思ったよりは素材が揃っている模様。
「レイアのてんりんとー、ラオのてんりんがー、ない」
とのこと。無論ベースとなるラオ素材もあれこれ要りますが、その辺は天鱗が出るまでに自然と揃うでしょう。
さて、そういったところでレイア。まずはクエストのチョイスですが、黒wikiなんかを見ると緑レイア単体でゴールドルナ単体と大差ないドロップ率がある模様(尻尾切断・頭破壊・捕獲)。リオハートは極端に出無さげですな。繰り返しやることになるであろうことを思うと、旧沼地の緑レイアで良い感じです。……いえ、結局このクエじゃ出なかったんですが(笑)。
ま、レイアだし、ということでクエストそのものは難しいことはないんですが、これがまあ、蓋を開けたら2回連続で討伐しちゃってイマイチ(捕獲報酬枠の天鱗を狙わないときつい)。
怒り難くなったなー、ということでシビレ罠設置。で、捕獲失敗。ふごっ!しぶてえ!でもまだシビレ罠はあるもんねー、ということでもうちっと削りましょう、とうちょびっと攻撃しますればあっさりと力尽きるレイア…どんだけギリギリラインだっつーの。
ビッケもリオハートZのために天鱗がいるので、ここはちと真剣にならざるを得ません。
むう、どーするか。
広域解除とリタイアマラソン
ここで珍しくビッケは広域を解除してみました。捕獲の見極めでGO!ってなもんですな。もっともこのスキルポイントを持つGクラス防具というのも持ってないので、作ったもののさっぱり出番のなかったナルガXに装飾品てんこもりで発動。これが面白いことに。
ひめをサポートする、という点に関してレイア戦で最大のポイントはサマーソルトとなります。広域を解除しちゃうと回復薬の広域化を失うよりも解毒薬の広域化が失われるほうが危険ですね。この辺事前の打ち合わせなしにいきなり広域切ると良くないですね。
その辺はとにかく速攻でレイアの尻尾を切る。ひめがサマーソルト喰らったら予測的に着地に閃光合わせて安全確保→粉塵、という感じで。
そうと決まったら全体の流れは特に滞りもなく推移するわけですな。捕獲も当然ばっちりです。あ、捕獲の見極めはペイント切れてたらわかんないですからご注意。自マキで併発したことないんですが、自マキだとそのまま黄色くなんのかしら?
ところで「面白かった」のがナルガXの本領たる「回避性能」。今回これを回避性能+2、回避距離UPで発動してるわけですが、イヤアなんともスゲーですなー、これ。実はこのスキルかなり「ヤバいんでない?」と思って今までガチで使ったことなかったんですが…ヤバいです。足下転げ回ってんだけでレイアの攻撃が当たりゃしねえ。
ひとことで言うと、思いもがけない位置、タイミングからの攻撃が可能(回避性能なしでは確実にカウンターを喰らう)ということで、とくにひめが回避・ガードに移行しなければいけないタイミングの「後に」一手入れられる、というのがデカイです。まだ少ししかやってないので何ともですが、メインとなるハンターの攻撃を阻害しない立ち回り、という点においてこの防具は大変面白いかもですね。もしかしたら、「広域解除」の片手剣でサポートしていく際(粉塵で足りる相手)に、最も有効な防具・スキルかもです。
とは言ったものの…天鱗のほうはさっぱりでして、週末突入とともにしびれを切らしたビッケのほうは単身古式に則って(笑)リタマラをやってみることに。
んまあ、実際のところは今のシステムの条件でリタマラが有効かというと、さてどうでしょうかねえ、という感じなんですが(捕獲報酬などの発生のため、最後までやっても時間あたりの確率は大差ない)、ま、たまにはこういうのも。
装備は剥ぎ取り装備ですね(ギルドガード)。これが防御力200くらいでして、ネコ飯とかないままサマーソルトでも食らおうもんなら非怒り時でも即死しかねません。とは言っても1回1回ネコ飯、というわけにもいかないので、リタマラの時はクエスト開始と同時にいにしえの秘薬で体力・スタミナマックスにしますね。リタイアしたら使用アイテムも戻るので、これで集会所タッチアンドゴーで繰り返せるのです。
もうリタマラというのはシステマティックな動きが命ですんで、今回のクエでちょっとその組み立てを見ておきましょう。
使用武器はひめトレースの目的も兼ねて太刀。夜刀【月影】で。
クエスト開始と同時に(どこでスタートしても)、5番直行で捕捉できます。ここで重要なのがエリア上の3匹のブル。レイアがこちらを見つける前にこいつらを狩っちゃうコースを確立しておきたいところです。場合によりけりなところもあるんですが、1匹狩ったらレイアの発覚のないうちに一旦エリアを抜けて、再侵入して2匹目、というようなこともします。
重要なのは「掃除」というよりも練気ゲージ。一度抜けるケースでも3匹狩ると大体たまります。この状態でレイアとの戦闘をスタートさせると速いんですね。
また、「尻尾以外には当てない」というのも今回重要です。尻尾だけに当てると丁度ギリギリのところで初怒り突入前に切れますね。これが怒り突入となると、ちょっとの攻撃密度の低下でエリアチェンジまでなだれ込んじゃうのです。
で、尻尾が切れたら閃光ポンでピヨらせて、剥ぎ取り。シビレ罠とかなくても3分で終わります。無論シビレ罠使うともっと速いんですが、練習要素も兼ねる、というと毎回は使わないほうが良いですね。太刀で尻尾というのも練習してないと結構空振りますのですよ(特に気刃斬り)。
とまあ、なんかもういつぶりかわからないくらいのリタマラでしたが、キリの良いところで50尻尾斬り(100剥ぎ)して……天鱗出ず、というところで力つきました(TT)。……実は緑レイアの尻尾は天鱗剥ぎ取れないよ?とかないでしょうね(笑)。
その後…
アッタマ来ちゃったビッケはそのまま「竜王の系譜(金銀闘技場)」へなだれ込んで、あっさりレイアの天鱗をゲットしちゃうわけですが(笑)。いや、はじめから「竜王」やれよ、という話なんですが、どうもね。かつての「天地」のイメージが強くて、なんと言いますか「素材のため」とかでやっちゃいけないクエのような思い込みがガガ…。
これで晴れてビッケのリオハートは完成。で、週が明けますてえと当然の様に「ひめも竜王やるうぅぅぅ〜!」となるわけです。
ひめと竜王。さて、どうなることでしょうか。
言わんこっちゃない、と言いますかなんと言いますか(笑)。さふぃさんからちょっと待ったコールです。
もとより「フラジャイル」で述べたアタッカーハーフとは広義のそれのことですが、それにしたところであたしの「読み方」はアタッカーハーフの「自在性」のほうへバイアスがかかりすぎていたようです。
「アタッカーハーフとは、他に支援手がいるなど
支援に関する需要が限りなくゼロに近づく状況で攻撃手を担いうる
手広い装備構成、あるいはそれを率先して選ぶハンターのスタイル。
それをアタッカーハーフと呼んでいます。」
と、いうことで、あたしはこの辺り「他に支援手がいてもいなくても」変わらず立ち回れる自在性みたいな読み方をしちゃってたのでした。
あー、とは言っても今すぐ「フラジャイル」の「アタッカーハーフ」を「支援手に」全変換して文意が保たれるかというと…うーん。とりあえず以上の点をご注意ください。ということで、しばしお待ちください。
少々全体が散漫になってますので、少しまとめましょう。
アンチテンション
モンスターハンターがゲームとして提供している「勝利条件」。この条件を満たすハンターが不在のうちにクエストがクリアされてしまうのはなぜか、というのが当初の疑問でした。
そして、これは逆に「勝利条件」そのものが後付けで、それ「以前」にはその条件にこだわらないモンスターハンターがあった、なおかつその「古層」は現行のモンスターハンターにも伏在している、という仮説に至ったのでした。
また、この「勝利条件」を満たすハンター像がそれ以外のハンターに投げかける「影」。その「影」を追うことでその仮想される「モンスターハンターの古層」へアプローチしよう、という目論見が立ち、その「影」を活かすアプローチとしてアタッカーハーフに注目をしたのでした。
実際「肉質?なにそれ?」というハンターであってもアタッカーハーフが介入したら最難関でだって暴れちゃうことができるのでして、このことは「勝利条件」のベクトルから外れたままに自由に狩りを履行できる可能性があることを意味します。
さて、これがスポイルなのか自由さなのかというのはケースバイケースと言うよりないですが、忘れてはいけない点は弱点肉質に固執する、ノーダメージを実現する立ち回りを墨守する、というのは見ようによっては「プログラムルーチンの攻略」にしか見えない、ということです。「そんなのおもしろくないっ!」というハンターがいるのは決しておかしなことではありません。
むしろ無印なんかはその「自由度」の方が今よりずっと際立っていたでしょう。場合によっては弱点肉質をついたりなんだりというのはごく少数の「超ウィザード級ハンター」のみが用いる技、という状況になる可能性だってあったと思います(攻略本が出なければ、解析サイトがなかったら)。
客観的に見るならば、現行のモンスターハンターはその「超ウィザード級ハンター」ばかりが増えてしまい、そこへ難易度の照準を合わせて上位・Gクラスを積み重ねていった状態である、とも言えます。皆さん現行のシリーズに色々嘆かれてますが、そもそも「弱点肉質をつきまくる」ような狩りをモンスターハンターは本来「前提としていなかった」、という可能性だってあるのですよ?と、言うよりぶっちゃけそれが現行シリーズのアンバランスさの正体でしょう。
しかし、それが現状ではあっても、どうにかこうにか自由度を保った狩りはアタッカーハーフの介入という条件の下で可能ではある、というところまで来ました。誤解を招くといけないので明言しておきますが、ここで言うアタッカーハーフとは、狩りの一手法、ということを意味していません。「勝利条件」を突き詰めたところに立つ「ソロ討伐」というテンションに対して、完全に鏡像を成すアンチテンションを構成する存在として見ています。その「ソロ討伐」も、「○○使って○分討伐でしたww」というようなものではなく、まさに「金字塔」として多くのハンターを勇気づける「英雄の証」であるところのソロ討伐のことです。
このような厳格な「ソロ討伐」がモンスターハンター全体の頂点を成すイメージは広く認められているところでしょうが、このイメージをそっくりさかさまに反転してくっつけたい、というのが今回の目論見だったのですね。
ここに見られる「鏡像」は、ただ単に全体構造をひっくり返したイメージを意味しているのではありません。アタッカーハーフの頂点は、厳格なソロ討伐の頂点と同等の強度を持つ技術・知識・経験によって構成されるはずです。
実は、ソロ討伐というのも「金字塔」と目される狩猟録の内容が「強さ」によって構成されているのかというととてもそうは言えない、というところがあるのです。一般に、あるベクトルの極と相反するベクトルの極は似たようなものになる、場合によっては「宙返りをうって」入れ替わっちゃったりするものですが、ソロ討伐の極とアタッカーハーフの極でもそのようなことが起こると予想されます。
では、その両極をともに構成する、その両極の「入れ替わり」を可能とする「狩りの基調」とはなにか。そこには、ハンターがハンターであり続けるために、モンスターハンターがモンスターハンターであり続けるために決して失ってはならないものがあります。
フラジャイル
ソロによる難関クエスト突破の記述というのは、大概「長い」ものになります。これは「武勇伝」を語りたいから長くなるのかというと、そうではない。ひとことで言ったら「たくさん失敗したからその分長くなる」のです。自分はここで失敗した、あそこで失敗した、あ、ここも書いとかなくちゃ…ということで長くなるんです。
一体にこのような記録は「強さ」の記録と言えるのか、というととてもそうは思えません。多くのハンターの感動を呼び、読者自らがそのポイントを目指そうと歩を出すきっかけとなるようなソロ討伐の記録は、「弱さの集合」でできています。ここでこうした、あそこでこうしたという工夫の記述は、裏を返すと「そうしなくて失敗した」という記録でもあります。
ハンターは弱いもの、狩りは失敗するもの、そういった繊細な、フラジャイルな視線が書かせているのがソロ討伐記録というものなんですね。
さて、ここでようやく本稿のタイトルとなっている「フラジャイル」の解題に入ります。
おそらくフラジャイル・弱さそのものをテーマとして扱っている論考は『フラジャイル 弱さからの出発』(松岡正剛:著 ちくま学芸文庫)あたりしかありませんで、ここでもこの論考をベースに考察を進めてきました。
フラジャイルとは、弱さ、壊れやすさ、傷つきやすさを表す言葉です。そしてそれは、「そのようなものを扱う時に必要な繊細さ」を表しもします。全体ではなく部分、いや、断片(フラグメント)に目をやり、充足ではなく欠落に可能性を見る視線。
その内容自体は直接お読みになっていただくしかないですが(他のどの書物を読むより貴重な体験となることは保証します)、ここでは「あとがき」にある以下の一文を参照されたい。
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おおむね「弱さ」は「強さ」の設定によって派生する。この関係はまことに微妙なものである。しかし、いったん強弱が決まると、弱さはもっと深いほうへひっぱられていく。本書が一貫して綴ってみたかったのは、なぜ「弱さ」のほうが「強さ」より深いのか、なぜ「欠如」のほうが「充足」よりラディカルなのかということである。いいかえると、「弱さ」はなぜわれわれに近いのか、ということだ。だからといって、「弱音を吐くこと」をすすめたかったわけではない。「弱音を聞くこと」を重視したのである。
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端的に言いましょう。
すべての事柄は常に、どこにあっても「弱い」のです。「強さ」によって構造している現象などない。すべては「弱さ」の集合によって構造しています。 「強さ」とは、その「弱さ」の集合がある一瞬何かを「しのいだ時」にだけ現れるきわめて相対的で瞬間的な現象なのです。
強い狩りがどこにあるのか。強いハンターがどこにいるのか。
この考察の最初に何と書いたか。ゲームとは「勝利条件を満たした勝者」たるべくある、と書きました。ならば、条件が用意されていなければ勝者は発生しないのです。強者とは「ゲームによって用意された強者」になることなのです。
そして、これがゲームの限界です。
あらかじめ用意されている「強者の幻想」を与え終えたらそのゲームは終わるしかない。
しかし、モンスターハンターにおけるハンターは、その限界を乗り越えてきました。
何を以てか。「弱さ」を以てです。
なぜ?厳格なソロ討伐が「勝利条件」の追求の極限であるならば、それは「強者」の発生ではないのか?
そうです。その目標とその結果においては。しかし、その経過とその記述においては上に述べた通り、「弱さ」への視線がそれを書かせることになります。
その記述とはやがてこの道を歩むであろう後続のハンター達へのサポートに他なりません。この1点において、対極をなすアタッカーハーフと同一の視座がソロ討伐の記述の根幹を成しているのが分かるでしょうか。
無駄な苦労をしない様に、無用な落とし穴に落ちない様に。そして何よりも、自分の示した証を超えて行ってくれる様に。…そのようにして書かれる狩猟録が強さの記録になろうはずもありません。
それが強さの記述であるなら、使った装備と討伐時間だけが書かれていたら十分です。前項で指摘した「モンスターハンティング」ならば、そうでしょう。ソロ討伐の記述は打倒すべき達成目標として「記録」されるものになるでしょう。
しかし、ハンター達はそうはしなかった。弱きものから弱きものへのメッセージを以て狩猟録としてきたのです。
その時点で、狩りの目標はゲームの提供する強者の発生から、先達のハンターの打ち立てた証の継承へとシフトし、モンスターハンターにおけるハンター達はゲームの限界を乗り越えました。
ハンターは何を以てつながっていくのか。それもまた、フラジャイルな視線、「弱さ」への視線の有無が決めていくのです。
狩りの基調(転章)
さて、めぐりめぐってとうとう「ソロ討伐の記述」までもが「弱さ」からの視点による狩りの風景である、ということになってしまいました。斯様に、先に述べたひとつのテンションとアンチテンションというのは相互に入り込み合ってるものな訳です。
そこへの視線を失ってしまうと、狩りそのものがテンプレートの借用による、ゲームの提供する勝利条件の成就に終始して終わってしまうのです。
結果ではなく経過を。
それはまた、「モンスターハンターの古層」がそうであったろうと仮想した姿でもあります。「弱さ」はなぜ「深い」のか。その深さはモンスターハンターにおいてはその古層に由来し、単独狩猟の頂点までも貫くのでした。
モンスターハンターの古層がハンターどうしの協力による狩りの経過そのものであり、それが本質を成しているのならば、単独狩猟の最高峰であってもその記述は他のハンターへのサポートになっていくのです。また、逆にその視線が失われた「モンスターハンティング」がどうなるかはすでに指摘した通りです。
モンスターハンターは、その「商品化」にあたって、従来のゲームに準ずる「勝利条件」を組み込み、ちゃんと「普通の」ゲームとして取り組むことの出来る、終わらせることの出来る体裁を整えました。が、それに取り組んだハンターたち自身がその終わりには甘んじなかった、ということになるのでしょうか。
狩りの経験の継承というのが何処まで予測されていたのかがにわかには判じ難いので、それがシステム側がひそかに託していた古層の伏在によるものなのか、「弱さ」を引き受けることの出来たハンターたちの手によるものなのかというのも「どっち」とは言えないですが(両方でしょう)。
いずれにせよ、ハンターからハンターへ差し伸べられる手。それが弱きものから弱きものへ差し伸べられる手である限り、モンスターハンターはモンスターハンターであり続けることができるでしょう。これがアタッカーハーフとソロ討伐の両極を結ぶ「狩りの基調」です。
ふたを開ければなんだ当たり前じゃん、というようなことですが、現行のモンスターハンターが各シリーズにおいてどうなっているか。そこを良く見れば、その当たり前がまるで当たり前ではない光景も多い。ソロ討伐を「強さの代名詞」として捉えてしまう「強者たるべき」視線の強調は、その足元に色濃い影を落とし、不幸ななじりあいが暇も無い、ということになっていきます。
まず、少しでも興味のある方はアタッカーハーフとして仲間たちとの狩りへ赴いていただきたい。そこから少しでも「強がる必要のない」狩りの光景を覗いていただきたい。片方のテンションだけでない、両方向のテンションを持つ狩りの光景はそこから見えてくるでしょう。モンスターハンターの古層からその全領域を貫く「狩りの基調」もまた、そこからその姿を取り戻してゆくはずです。
さて、長々と(なんと15000文字!)書き続けてきました「フラジャイル」ですが、ひとまずはこのあたりで切ろうかと思います。一応「弱さ」へ目を向けることがどのような光景を開くかは書けたかしら、ということで。なんだか歯切れがよくないですが、そのとおり。この一連の考察を展開する過程でも実は相当の「筋違い」をパージしてきている、という状況なのです。あ、筋違いというのはちょっとこの一連の考察とは視点の置き方が違うかしら、というようなものですね。
今回従来の「表のモンスターハンター」の全体像に対して、アタッカーハーフを主軸にしたアンチテンションとしての鏡像を提唱しました。これがまあ、実際やってみると文字通り「合わせ鏡」状態になっちゃうのでして、あっちゃこっちゃにイメージが飛んじゃって大変なわけです。その中からフラジャイルという軸を持って上下を貫通できたのは、けだし僥倖といえましょう。
しかし、これはやはりいまだ「端緒」に過ぎないようです。その根本的な位置づけに関しては最大広域を持って示すことができた、という思いはありますが、そこを具体的に構成してゆくアタッカーハーフの処々の断片については、あるいは無印この方積み重ねられてきたソロ討伐の記述の集積に匹敵するボリュームが成されないことには如何ともし難いのかもしれません。
フラジャイルとはまた、個々の断片(フラグメント)へ送る視線でもありました。ならば、次はこの長い長い考察のすべてが詰まっているような「狩りの断片」を書いていくのが筋でしょう。その具体性のかけらがまた積み重なった時、今回取りこぼしてしまったフラジャイルなかけらたちに関する長い長い考察を書けるのかもしれません。
人がフラジャイルなアプローチをとろうというときに、傍らに寄り添って手を貸してくれるのはこの「影」に他なりません。
もうひとりの自分
人の精神の成り立ちを考えるときに、きわめてプリミティブに(あるいは古典的に)シンプルな像を考えるならば、それは2つのモデルに大別されます。
ひとつは起点(生まれたとき)を「0」として、成長過程でそこから積み上げられてくる、というモデル。
もうひとつは起点を「充足した状態」と考えて、成長過程でどちらかに出っ張るならその分どこかがへっこむ、というモデル。
大まかに前者がフロイト型、後者がユング型のモデルです。それぞれの「派」は後に行って様々な後継者によってより複雑なモデルとして再提示されますが、今は古典的にシンプルな解釈をしておいて良いでしょう。
では、ユングの言うモデルをより具体的に述べます。
成長過程で選択される「自分はこうである/あるべきである」といった自分像。これが出っ張りですね。これを「自我」と言います。そして、これらが選択されたが故に選択されなかった反対に位置する価値の集合が「ヘッコミ」を形成します。この「ヘッコミ」の集合によって内的に形成される人格のことを「影」と言います。
勤勉であるべきである、まじめであるべきである、という人格を表に形成したならば、そんな一生懸命になんなくても変わんないじゃーんという人格が影として形成されている。逆もまたしかり。要するにジキルとハイドです。
この自分の影の人格にぴったりあっちゃうような自我を持った人が目の前に現れると「ムカつくやつ」ということになるわけですね(これを投影と言います)。
この内在する反対人格というのもあながち胡乱なものでもありませんで、強力なショックを受けたり、事故にあったりした際に表裏の人格が入れ替わる現象がまま見られることから、ある程度はっきりと形成されているものと見て良いでしょう。
さらに、この表層人格というのも社会的な要因で構成されるより無自覚的な部位を持ってまして、要するに「男である」「女である」というジェンダーの選択なのですが、これに対置する反対人格が影の深層に構成されています(「深層」かどうかというの難しいところですが、今はその程度でご勘弁)。これを「アニマ(内なる女性像)」「アニムス(内なる男性像)」と言います。この辺りは今回の議論ではさておきますが、このような内在する反対人格をひっくるめたところに見るその人の人格の総体を表層人格である「自我」に対し「自己」というわけです。
さて、ユングの心理学では表層人格がバランスの崩れをこうむった際、この「影」「アニマ・アニムス」といった普段意識されない深層人格を引っ張り出してきて、全体としての「自己」の調整を行うことでバランスを取り戻そうとするわけです。
例によって心理学講座をするわけではないので予備知識はこの辺で。より詳しくあたりたい方は、そうですね、『影の現象学』河合隼雄 講談社学術文庫 あたりお読みになるのがよろしいでしょうか。
ハンターの影
普段意識されない(される必要のない)「影」を意識する必要、手を差し伸べる必要が発生する時とは、表層人格がなにがしかの行き詰まりを受け不安定なった際に、その表層人格「以外の」あり方を模索する時です。表層人格が「その形」になる以前のポイント(未分化の状態)へ一旦もどってみる。その際に「影」を意識し、それを部分的にでも「取り戻す」ことによって新たなバランスのあり方を探るのですね。
大体この辺りで何が言いたいかお分かりかと思いますが、つまり、これをハンターの共同体構造に当てはめて考えてみる、ということなのです。前回述べた「モンスターハンターの古層」。もしそれがあるならば、それはモンスターハンターがゲームとして発売されて以降に形成されたハンター達の合意、ハンターとはいかなるものかという合意、その合意の形の「影」こそが「その分岐」以前へ至る手がかりとなるだろうからです。
さて、ハンターたるものいかなる道を歩むべきか。
武器を鍛え、防具を設え、立ち回りを工夫し、モンスターの攻撃を見切る目を養い、そしてクエストの要求する強度へ到達する。かくあるべきである、また、かくあろうとする。PT戦においては自分に期待される技能を発揮しようとし、仲間を助け、皆の足を引くことのない様に心得、また、心得ようとする。
われわれハンターは日々そうあろうと研鑽を積んでいるし、「研鑽」何ぞという大げさな心構えと縁の遠いハンターでも、問われるならば「そうあろうとは思う」というところではあるでしょう。
これらは皆、前回述べた「勝利条件」に適合するためのあり方であるといえるでしょう。すなわち「強者」たるべきハンター像です。「分岐以降」のモンスターハンターが勝利条件を満たす、という通常のゲームの枠を提供している以上、これは当たり前のことではありましょう。
ならば、その像が落とす影とはどんなものか。
実はある共同体の影を探るというのは、悲しいかな、簡単です。なぜか。影は「いじめられる」からです。
特に「強者としての表層」に対する「影」は、常にヴァルネラビリティ「攻撃誘発性」を帯びます。いわゆる「いじめて君オーラ」ですね。
モンスターハンターにおいて、どんなあり方がヴァルネラビリティを帯びているか、これはもう言うまでもありません。
曰く地雷。曰く剥ぎ取り君。曰く高台ガンナー。曰くハメ専……。彼らは毎日毎日掲示板で叩かれ、バカにされ、笑い者にされています。日々この話題を追っていると「彼ら」という実体があるのかどうか疑わしくなるほどに語られます。
曰くヘタレである。曰くゆとりである。曰く卑怯である。唾棄すべきである…。
「ダメなハンター像」が最大公約数的に「ヘタレ」と表現されることからわかる様に、つまるところ「ハンター達の影」とは「弱いハンター像」です。
それがなんだというのか、「日々研鑽を積んでいる俺ら」とは関係ねーんじゃないのか。彼らは努力が足りず、向上心がなく……つまりヘタレなんだというだけではないのか。
それは誤りです。
なぜならば、どこで切ろうが表層は影を生むからです。現行の「研鑽を積んでる」ハンター上位50%を切ってまとめたら、その中でまた影と日向に分かれるのです。強さ弱さは差異の必要性によって常に「生み出される」ものなのです。
弱さは切り離せるのか。影は消せるのか。唾棄すべきである…それは一体何に唾しているのか。自分の影にではないのか。
ひとつの結論を述べましょう。
影を失ったモンスターハンターは、単なる「競技」となります。「モンスターハンティング」になるのですね。
弱さを切り離し、古層へのアクセスを封じられたモンスターハンターは、必ずそうなります。
弱さを切り離したら最後、強さを競うしかなくなるのです。
そこでは、かつて述べた数々の「証」も振り仰ぐべき「高み」ではなく、打倒すべき「看板」と成り果てるでしょう。頬を緩ませるべき「広がり」も、単一のヒエラルキーに吸い込まれていくでしょう。…モンスターハンティング。
私は嫌だ。
そんな仕組みは他に掃いて捨てるほどあるのです。
では、どうしたらよいのか。地雷になったらよいのか。高台撃ちをしたらよいのか。それのどこが面白いのか。面白いわけはありません。地雷と笑われるハンターは面白くて地雷と呼ばれているわけではない。
弱い狩り。フラジャイルなハンティング。
そこを見つめなければいけません。そこに耳を澄ませなければいけません。
そこを豊かにしていかないと、もう強い狩りだけでは先へ進めないのです。
でも、心配は要りません。すでにそのための手法は存在しています。
それを見つけてくれたハンターがいます。そして、それを「継承」し、ぴかぴかに磨き上げて用意しておいてくれたハンターたちがいるのです。
アタッカーハーフ。それは「狩りの手法」ではありません。
それは「モンスターハンターの手法」なのです。
アタッカーハーフ
アタッカーハーフとは何であるのか、というのを表面的に言うならば、すなわちそれは援攻両刀のスタイルである、となります。
味方の援護をし、またモンスターへの与ダメも稼ぐ。簡単に言ったらそうなります。
しかし、よくよく考えると(あるいは実際やってみると)これは大変振幅の広い行動ノードを持つものであるとわかります。大体「○○and○○」というのは「どちら寄りか」が無限に選択できてしまうので、すぐさま膨大なディレクトリが形成されてしまうシステム特性があるのです。つまり、境界条件が曖昧なのですね。
さらに、このスタイルを持ち出すとすぐさま出る反応が「何故援護をするのか、全面攻撃の方が良いのではないか」というものです。
「援護によって味方の火力を引き出す」という言い分で反論することになるのですが、実はこれ、多分に「方便」です。無論、実際のクエストへ取り組む時はその「方便」に従ってその技量を発揮するので、アタッカーハーフの実際上の研究課題はそこに収斂するのですが、そこの是非(存在意義)で頭を悩ますかといったら、あるいは上の「線引き問題」で頭を悩ますのかといったら、悩ませません。
なぜか。アタッカーハーフは常に「+1」の位置に立つからです。2人の狩りのパーティーにアタッカーハーフが加わったとき、そのパーティーは「3人パーティー」にはならずに「2人+1」のパーティーとなります。
では、そこの位置で何をするのか。アタッカーハーフはその「+1」の位置に立って、「狩りを調整する」のです。お好みなら演出する、プロデュースする、コントロールするなどと表現しても良いでしょう。
最も良く遭遇する必要性は「難易度の引き下げ」でしょう。この場合、アタッカーハーフは他の2人の「アクター」が活躍するのに適切なレベルにステージの強度を調整します。要は「弥七」ですね。助さん格さんが大暴れ、でもふと気がつくと敵が余計に倒れており、その敵には風車が…ということです。
また、常時重要となる役割としては「盛り上げる」というものがあります。無論実効のある高度な技法を発揮して、というのもありますが、「あれえ?このモンスター強いよ、ぜんぜん弱んないよ?」という感じでパーティが不安になった時には怪力の種をひと飲み、広域で飛ばしてピキーンと赤い光がみんなを包んで、「攻撃力上げたからバシッといってみよー」とやったりもするわけです。これが実際数字の上でどれだけ有効かどうかはともかく、そういった「演出」で狩りの中だるみを盛り上げていくことは大変有効ですね。
これではなんだか大変居丈高なポジションのようですが、無論代償は払います。そのような「おいしい」位置をとる代わりに、アタッカーハーフは狩りの主役としての座を捨てます。結果がどうあろうと、あるいは数字の上で討伐に至った火力の半分以上をアタッカーハーフの手が叩き出していたとしても、その狩りの主役はアタッカーハーフ以外のハンターのものなのです。
この自己規定こそがアタッカーハーフそのものであると言えるでしょう。スタンドアロンで狩りを収束させることの放棄。ハーフトーンで低強度な(フラジャイルな)関与を前提とするモンスターハンター唯一の存在。
その規定を外したアタッカーハーフは、おそらく「狩りを壊してしまう」存在になると思います。それは、その技量が上がれば上がるほど顕著となるでしょう。
具体的に言えば、「ど素人が最強の武器・防具を与えられたところでどうにかなるわけではないモンスターハンター」と言われますが、アタッカーハーフの介入はこれを「どうにかさせて」しまいます。これが何を意味するか多くを語る必要はないでしょう。アタッカーハーフとはそのような「毒」にも簡単になってしまえるのです。アタッカーハーフをサポートの亜流くらいに認識しているとなんだか穏やかな存在みたいですが、その実態は「劇薬」と言っても良いくらいの強度を発揮しうる存在なのです。
さて、現行のモンスターハンターというゲームは、それぞれの後半に突入すればするほど「自由度」が下がっていきます。難易度の上昇とともに「強者たるべき」一定の様式に従わなければ討伐に至らない。無手勝流で暴れてどうなるかといったらどうにもならない。そういった「狩りごたえ」と「自由度」の矛盾がずいぶん前から発生しています。
しかし、ここにアタッカーハーフの手が入ると、その矛盾は霧散します。ポータブルシリーズなら「1+1」、ネット上でも「2+1」の体勢が取れたら、ほぼすべての狩りは好きな様に動ける自由度を復活させるでしょう。
これが、アタッカーハーフが現行のハンター達の影である狩りのあり方を豊かにしてゆく鍵であるとし、「モンスターハンターの古層」へアクセスしてゆくための鍵であるとした理由です。
そして、それを実行してゆく際に必要となる感覚、アタッカーハーフの中核を支配する感覚こそが「弱さへの自発」、フラジャイル・フラジリティと言われる感覚なのです。
---だからといって、「弱音を吐くこと」をすすめたかったわけではない。「弱音を聞くこと」を重視したのである。---
松岡正剛『フラジャイル』
そうなのです。「弱音を聞くこと(これは純粋に「弱い音」の意です)」。強者の発生が立てる大音響の中に、ピアニッシモで劇的な「弱音」を聞き取ること。
壊れ物注意!(Fragile!)のマークに示される、己の発揮しうる最大限の繊細さを持って事にあたる感覚。討伐という「狩りの積分方向への視線」ではなく、その「経過の全局面を微分」してゆく視線。
では次回最終頁。「フラジャイル」にて、その「弱さ」の持つ力の本質を探ります。
----- 結論を言うようだが、「弱さ」は「強さ」の欠如ではない。「弱さ」というそれ自体の特徴を持った劇的でピアニッシモな現象なのである。 -----
松岡正剛 『フラジャイル』
はじめに
まず最初にお断りしておかなければいけないのは、これから書かれる一文は「アタッカーハーフ」を軸として展開されるものだ、ということです。しかし、このアタッカーハーフという名称を立て、構想し、研鑽しておられるのはHUNTER's LOGではありません。これはMHdosブログ『サフィニア邸で休日を』のさふぃさんによるものなのです。
HUNTER's LOG on PORTABLEではさふぃさんのご厚意によりこの名称を使わせていただいていますが、なんと言っても浅学非才のHUNTER's LOGがやってますことですんで、そもそも少々ズレているところもあるでしょう。そのあたり「まぁ、いーんじゃない」と大目に見ていただいてるわけですが、流石に今回はそうお気楽なズレではすんでいないかもしれません。
ということで。
もとより「モンスターハンター」へひとつでも多くの視点を、という試みではありますが、その用語・用法・解釈に関する一切の責任はHUNTER's LOGにある、という点を心に留めて、以下お読みください。くれぐれもHUNTER's LOGによる勝手な解釈を通してさふぃさんのオリジナルを見ることのないよう、重ねてお願いいたします。
ブログ版への注
この主題に関して少々頭を巡らしてみましたところ、どうにもさらっと書いてどうこうなるもんじゃない深みへとどく問題だという感じになりました。そこで、何回かに分けてブログへ書き付けていき、完結しましたら校正をかけつつ本サイトへとまとめる予定です。
いやしかし、今回のこの一文はまったくの予定外です。これまでにうちでぐちぐち書き連ねてきた「モンスターハンター論」は「いつか書くであろう」という青写真のもと、そう離れないことが書かれてきたのですが、「弱さ」に関する考察がここでなされることになるとはまったく思ってませんでした。
でも、いつだって真に重要な案件は外から「おとづれる」ものなのです。
強者の不在
ことの発端はあいも変わらない日々の狩り模様の中で突然訪れた疑問によります。ここしばらくは「HUNTER's "B"LOG」記事にある様に、相当スチャラカな…百歩譲って天真爛漫なハンター「ひめ」を、このブログを書き綴る中の人の操るところの「ビッケ」が「アタッカーハーフ」の思想を片手剣に応用しつつサポートしていく、という狩り模様が主立っていたわけです。
これがP2Gでも最難関のレベルとなるG☆3ステージに来まして「なんでクリアできていくのか」という疑問に至ります。無論これは技術的な疑問ではありません。ひめがスチャラカハンターでも難関をクリアできる様に、と数ヶ月に及んで工夫してきたわけですし、それがうまく行ってる、というだけのことですね。ここで問題となったのはただ一点。「強者が不在である」ということです。
「黒き角竜の猛攻」を突破したとき、あるいは「黒のカタクラフト」を突破したとき、そこにはそれを突破するに足る力を持った「強者」がいなかったのです。ひめをひとりでこのステージに放り出したら数分と保たないことは記事の中でも見られる通りです。では、その分ビッケの猛攻でクリアしてんのかと言いますと、これがそうではない。そもそもその条件で回復支援をやりつつソロ討伐並みの攻撃パフォーマンスを発揮するなど無理な話なのです。
ひめが強者でなく、ビッケが強者でなく、では何がクエストをクリアさせているのか。二人の協力がそれに代わる火力に達していたんでは?と言ったらその通りなのですが、どうにもここにはそこで停止してはいけない「何か」があるのです。それは、そもそも「ビデオゲーム」がどんなものであるのか、という根本にまで遡って考えるべき「何か」なのです。
ゲーム
ビデオゲームに限らず、ゲームというのは一般に「白黒つける」ことを目的に行われるものです。勝利条件を満たして勝者になる、これが目的ですね。
より広く「遊び」を分類するならば、その幅はもっと大きくなるのですが、ゲーム、ことにビデオゲームの分野はその遊びの分類のうち、この勝者になることを目的とした「競合」に特化した分野である、あった、と言えましょう。
特にファミコンこのかた家庭用ゲーム機が「一人遊び」の代名詞であった時代は事実上「それしか」ありませんでした。そして、ネットワークにおいて複数の「主人公」が同時に同一の状況に当たる今においてなお、その流れは主流です。(余談ですが、現在ネットゲーム上で問題になっているコミュニケーション能力のギャップとは、この「一人遊び」の延長で参入している人とそこから脱している人とのギャップです)
この「勝利条件を満たした勝者」を前項で「強者」と称したのです。そして、ひめ&ビッケがG☆3に挑み突破したとき、そこには勝利条件を満たす勝者が不在だったのでした。
クエスト成功は討伐によってそれが確定するわけですが、その「討伐」が何によってもたらされるかというならば、これはそれを可能とする立ち回りを中心とした技能・装備の充実である、とまとめることができるでしょう。ソロ討伐という限定的な条件を持ち出さずとも、PT戦において個々のハンターがそれなりにそれを可能とする技量を持ち合わせていることが「勝利条件」である、という感覚に不審はないでしょう。
ですが、「それなり」から遥か遠いひめはもとよりビッケにしてもアタッカーハーフとしてクエストに関与する、という時点で、その資格からは外れています。後述しますが、アタッカーハーフとはそもそもスタンドアロンで狩りを収束させることを放棄したところに立つスタイルだからです。
これは一体どういうことなのか?
ことによるとアタッカーハーフとはモンスターハンターが「ゲームとして提供する勝利条件」を無効化してしまうものなのか。無論そんなことはないわけで、そもそもアタッカーハーフはそのような何かを無効化する、といったアグレッシブなアプローチとは無縁です。
では何なのか。そこでわれわれはこちらの目玉をでんぐりがえすことになります。
モンスターハンター自体が従来のゲームにおいて必須だった「勝利条件(強者の発生)」に依存していないゲームであるのではないか。
さて、大変なことになってまいりました(笑)。
モンスターハンターの古層
最大の焦点は、「分岐」がどのポイントで起こったのかです。腕を磨き、知識を貯え、装備を充実させ、勝利者たる資格へ到達する。これは現在のモンスターハンターでも当然のハンターのあり方です(PT戦でも)。
これが、モンスターハンターが発売された後、ハンター達の間で形成された合意であるならば話は簡単なんですが、やはりこれはそうではない。モンスターハンターのゲームとしての作り自体に勝利を目指す様にするバイアスはかかっている(端的に言えば討伐しないと素材が手に入らない)。それならば初めからそう作られてるのでは?となるとこれも簡単なのですが、こちらもそうとは言えないところがある。
無印開発期間に関するインタヴュー記事によりますが、当初プレイヤの見る画面は「コックピットOFF」となる案だったそうです。もとよりモンスターの体力が記号化されないという驚きのゲームですが、さらにはハンター自身の体力もマップも当然他エリアのモンスターの位置も見えない、そういう設計案があったのですね。
ここでの藤岡氏の発言に注目ですが、(そのような原型としての状態から)モンスターハンターを現在のユーザーがゲームとして認識して「遊んでくれる」レベルに落とし込む必要があった、と言っているのです。
この一事がすべてではありませんが、どうもモンスターハンターは従来のゲームに比して異質すぎる部分を抑え、ゲームらしく落とし込んで出てきている。そういった部分がある。
言い方を変えると「勝利条件」の確たる存在の重視というのは、要するに結果の重視です。結果がはっきりしないとゲームになってくれない。それに対して予想されるプレモンスターハンターとは、結果がおまけ程度のもの、というモンスターハンターです。流れ行く狩りの経過がすべて、ということですね(経過には勝ちも負けもない)。
では、そのようなものが分岐以前にはあったとして、落とし込みによってその「ゲームとして異質すぎるモンスターハンター」はなくなってしまっているのか。今われわれの見ているモンスターハンターの「地下」には、そういった「古層」としてのモンスターハンターがあったりはしないのか。
「勝利条件(強者の発生)」に依存しないモンスターハンター。それはどうもこの「古層」に関係があるのではないか。でも、そんな「ゲームとして世に出るための分岐」以前のモンスターハンターへのアクセスは可能なのか。
わかりません。と、いうのが正直な現段階での感想です。しかし、そこにいたるための「秘鍵」としての可能性をアタッカーハーフというスタイルに見出す、見出そうとする、というのがこの一文の意義です。
では次回。
われわれはアタッカーハーフという武器を手にし、フラジャイルな松明を掲げ、ハンターの「影(シャドウ)」との邂逅を果たすべくこの古層にアプローチしていきます。
ここしばらくはひめのガンランス復活∑(´□`;) に合わせて、素材調達に走ったりなんだり。何故にガンランスが復活するのか?
そういえばそれ以前も最近のひめは「ビッケのパンツ(過去記事参照)」に関してはおとなしくなっていたのでした。なぜか!
「ひめ、じちょーするー……」
という驚きの宣言があったのですよ!
何が驚きってあなた、ひめに「自重」の概念があったという……これは驚愕の椿事です(笑)。
時はさかのぼり、上のひめ発言にどよめく会社ハンターたち。
「ど、どーしちゃったの?ひめ?自重って食べ物じゃないよ?」
「だってー、あれじゃーひめおやじだもん。ひめおやじだ……」
「お、おぅ。そりゃあおやじだが…」
「あんなじゃあ、ブログ読んでる全国いっせんまんひめファンにもうしわけがないんだよ?」
……いっせんまんひめファン!ボヤッキーかおまいは。
そんなわけで、ひところブログに連発されたひめの悪行の数々を告発する記事(笑)を読んだひめちゃんは、文章化されたおのれの行いを読んでようやく自分が何やってるかを自覚したみたいでして、上の宣言に至った模様です。
うむ。ペンは剣よりも強し。
昔の人はいいこと言った。
さて、そうなりますと「斬り下がりでビッケをこけさせてパンツを見る」という楽しみが封じられるので太刀にこだわる必要もなくなるわけです。そこへグラだなんだとガードできないとしんどいのが重なったりでガンランスやるー、となったわけですね。
それが大体前々回記事のカタクラフト辺りだったんですが、あそこは中の人の体調不良もあってあっさり流して書いてますが、本当はそりゃあもう恐ろしいクエだったのです。ナンだったってひめガンスは水平砲撃標準搭載ですし(TΔT)。ビッケ斬り込み→ひめ水平砲撃がビッケ直撃→転んだビッケに怒り黒グラのサイドタックル!→ガード間に合えぇぇぇー!みたいな。
んまー、こっちとしては相手次第で太刀とガンランスを使い分けてくれると大変ありがたいんでして、そこは良いんですが、ビッケは対ひめニュータイプ反射が必要となりますね。
では、以下はそんな水面下での流れを含むここ数日の狩り模様です。
G☆2 雪山の主、ドドブランゴ
まずは先週末から。
ガンランス復活、といってもまずは作らないとしょうがないのでして、ひめはヘルブリザードがご所望。ドドガンスの最終ですね。いやー、重牙(が、要る)は、出ねー時は出ねーよ?と脅しつつ、ひめ-椿・ビッケ-アグニで。
これがまあ、はえーのなんのって10分もしないでドド様脚引きずりに。うーむ、確かにビッケがソロでGドド連戦してた頃に比べたら武器は強くなってますし、そりゃあ早まりもしましょうが…防具なんかは当時と変わってないわけで、デカイの喰らったら一気にゲージ半分切る、というのは変わってないのですが、なんかもうすっかりGクラスの攻防にも慣れちゃったなー。やっぱ序盤のしんどさというのは「びびり」の要素が強いんじゃないですかね。
しかしまあ、ビッケおまけ参加ですと重牙が出るは出るは(笑)。1戦で4本も出た。かつて2本いるだけのために6連戦とかしたありゃあなんだったのか…。
これが一方のひめはセンサー全開で、当然のように出ないのです。うーむ、うーむ。こういうのが結構あるからセンサーはあるんだと思わざるを得ないとこがががが。
さて、これまた当然のように2回戦。武器をアグニからゴールドイクリプスに変えたビッケです。
「あれぇ?びっけ武器さっきとちがうの?」
「おうよ。1戦毎にサクッと変えてのけるのがおされさんてなもんじゃん?」
「う…ひ、ひめもかえてくるもんっ!」
ということで自室に戻ってごそごそやってるひめでした。
「あー、火じゃないと牙折れないよ?またどーせツカミンの太刀とか担いでんだべ」
「ひめをなめんなー!」
と言って集会場に再登場したひめの背にはレウス大剣(赤)。
「へー。炎剣Gとか作ってたんだ」
「……………」
「ん?なにへんな顔してん……あっ!まさか、ただの炎剣リオレウスか?それ!」
「でへ?………い、いーじゃん!いーじゃーんっ!」
「まぁ、いーけどさ」
ちなみにスペック並べますと
炎剣リオレウスG 攻:1200 火:420(白ゲージ)
炎剣リオレウス 攻:768 火:420(緑ゲージ)
あはははは。
んが、これが結構いけますのです。ひめ大剣上手?…なーんてことはあるわきゃないのでして、エリア中央で久々の奥義空気切りを連発しておるのです。特にドドはすっ飛んで跳び回るので「何も無いところでの空気切り」が際立ちますな(笑)。
じゃーなんでいけてんのかと言ったら、ビッケつきだからですよ(笑)。転倒・シビレ罠・ひめが斬れる位置へのラリアットの誘導…等々。こうなりますと○○戦術、というのは、汎用でパフォーマンスが出るかどうかだけでなくて、具体的な「誰か」に対してその特性がうまく引き出せるように、という視点でコレクションしておく、というのも重要ですね。
いつかネットに出たときは、トータルパフォーマンス(討伐タイム)的にはうまくなくても、このタイプのハンターさんはあの手を使うときっと楽しく暴れられるだろう、みたいな式をすぐ立てられたら、と思います。
という感じで、ひめ炎剣リオレウスでの討伐も15分とかかりゃしませんで、体感的な苦労は椿と大差なく終了。これで重牙も出たみたいでまずはヘルブリザードが作れるみたいです。
G☆3 火山の三柱
「おふかい行ってきたー。レアいっぱい出たよ?」
ということで土日をまたいでホクホクのひめです。「出たよ」は「出してもらったよ」ではないのかと思ったりもするんですが…もしここを読んでいてお心当たりの方にはあたしが代わって御礼申し上げr…ていうか謝っておくのが良いのかしら?んもう、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ひめがあーなのはひとえに…ひめのせいですが…何だ、あたしの謝るとこじゃないじゃん(笑)。
そんな流れですんで新しくできた武器を見せびらかしたくてしょうがないひめちゃんなのでした。
んが、ビッケはマメなのです。ひめがガンランスモードに入るというのなら、こっちもガンランスあれこれ作って使ってみてないとなー、ということで土日は「足りない素材集め→お金稼ぎハイパー素材ツアー→足りない素材集め→…」のヘビーローテーションだったのでした。
それが思わぬ流れの破綻をもたらします(笑)。
「じゃーまずはヘルブリザードねっ!」
「あー、それ作ったよ?」
「…ぶー。んー、じゃーフルフルのやつ!」
「それも持ってるねえ」
「なによっ!こんじゃ意味ないじゃーん!(怒」
「…?いやだってガンス使うっていうからいろいろ作っちゃったし。あと大砲モロコシとかバイオレット系とか…」
「もー!じゃーあれよっ!ナズチの太刀!見えなくなんだからっ!」
「あー、そりゃ作ってないけど…ガンランスじゃないじゃん」
「いーの!もー、びっけが持ってなければいいのー!」
ということで、なぜか太刀を持ち出すひめでした。
で、何行きてーの?と問いますれば、
「ひばしらっ!」
だって。まあ、分からなくもないですが…火柱て。
「あのね。古来1柱、2柱と数えるというのは神様を数える数え方でね?この場合モンスターを神のごとき畏れるべき対象としt…」
「みてみてこれ。これがナズチの太刀よ。みーてーっ!」
といって自分のPSPをぐいぐい押し付けるひめですの。まったく人の話なんか聞いちゃいねえ。
ま、この辺はおまけ的ですんで簡単に。
クエストは大連続。ヴォル兄貴・ショウグン亜種・レウス原種、といったところ。何気にドンドルママップにレウスが登場するのはレアですね(新エリアですが)。
クエの履行は特に何事もなく滞りもなく。ヴォル兄貴が出るとすっかり「アニキー!アニキー!」とかはしゃぐようになったひめの妙なテンションが危険ですが、最近はフライングビッターンも一応回避するようになったひめですので、それなりに討伐。
んー、しかしこの大連続の仕組みがいまいちまだ良くわかんないんですが。ちょっと前までは内1種が妙に強力で主役、後はおまけ的な作りなのかとも思ってたんですが、今回とかどれもかなりあっさり感高めでそうでもないみたい。
「なんかみんなヨワっちくね?」とはひめの談ですが、ヴォル・落とし穴、ショウグン・シビレ罠、レウス・閃光と的確に要所を封じるビッケの采配あっての楽勝というのが分かってんのかどうかというとこもありますが(笑)、ま、確かに妙に拍子抜け観があった「火柱」でしたね。
ところでナズチ太刀(ファントムミラージュ)ですが…
「見た?ちゃんと見た?」
「え?んーと…」
「なによっ!ちゃんと見てってばー!」
(と、力尽きたレウスに気刃斬りを繰り出す鬼ひめ)
「そんなこと言っても、だから、見えなくなるんじゃん?それ。見えないのをどう見ろと?」
「あ…あれ?」
作麼生・説破。
「見えぬ剣あり。それを見よ」
G☆3 炎と電気と熱線と
ここからようやく本題(笑)。
ひめは龍木ノ古槍【神葬】を担ぎましてのガンランス編突入です。え?アビスとかが良いんじゃないかですか?ですよねー。でも「それこないだ使ったじゃん!」とか言うひめですの。
クエストは大連続。「リオレイア亜種・フルフル亜種・グラビモス原種 in 旧沼地」といったラインナップですね。
今回はこのクエストを舞台に「思いがけない」こと、という点に関して。無論ひめ相手ですんで、この「思いがけない」ことというのは頻発します(笑)。そんなに大げさな天国と地獄がひっくり返るような「想定外」はそうそうありませんし、今回記事にあるようなことはどこの狩りでもあるようなことなんですが、そんなちょっとしたとこにも「その先」を考えていくヒントはある、みたいな感じでしょうか。
まずリオハート。
いきなり毒化するひめにギョッとしながらも(同期の無いイーオスの攻撃による)戦闘が続いて、ハートが怒ったところで閃光ポン。龍木ノ古槍(麻痺属性)でピヨリ中に麻痺発動→麻痺解除を見計らってシビレ罠、とかやると一気に膨大な体力を削ることが出来るんでして、狙っていたんですがあにはからんや。
閃光ピヨリと同時に武器を研ぎだすひめですの。
「うおーい、その武器だったらピヨリ中はちょっとくらいゲージ落ちてても攻撃して麻痺させるのが良いんだよ?」
「えー、だって緑ゲージになっちゃったんだよ?はじかれちゃうよ?」
「心眼ついてんじゃんか」
「?……ついてるよ?」
「??……あ゛ー!まさかっ!…ひめちゃん心眼てどういうスキル?」
「すげえよくきれる」
「ちっがあぁぁぁーう!」
ということで「はじかれない」スキルであるとイマイチ理解してなかったひめちゃんでした(TT)。
この場合「閃光ピヨリからのコンボ」というのをひめが考えていない、というのは想定内なんですが、そこを提案しても理解していただけない(笑)、心眼の内容を勘違いしている、というのが想定外なわけです。
ここしばらくの記事を見てみても、ひめに心眼というのは非常に重要なスキルです。肉質をきちんと把握して…というのはひめ向きではないのでして、とりあえず突っついて通ってもらいたい、のですね。そのようのそのハンターの基盤となるようなスキルに関してはやはりきちんとした理解が無いといけない。あるいはそのスキルによってどんなことが出来るのか、といった「応用方」というのも出来るだけ教えてあげたほうが良い。
この辺りは「口を出す」とはまた違った「口出し」ですね。
お次は赤フル。
体内放電をガードヒットが無いまま上段突き出そうとするひめとか、通常の立ち回り中に何の脈絡も無く背後で「コオォォォォ」とか音がするのでぶったまげて横っ飛びに逃げるビッケとか(笑)、挙句の果てに「チッ!」とか言うひめとか(笑)…その辺はまあよいのですが(そうか?)。
ここで問題となったのは最終局面。
瀕死で11番洞窟へ逃れる赤フル。追っかけるひめ&ビッケ。で、洞窟到着で落とし穴を仕掛けるひめ。
「んー?後何回か斬ったら赤フル死んじゃうよ?落とし穴もったいなくね?」
「いーの、いーの」
と言うひめです。あ、そう、まあいいけどと思いつつ。やってきた赤フル落とし穴ドボンでビッケが数回斬って討伐。…と、同時に叫ぶひめ。
「あ゛ー!もうっ!びっけ、ばかーっ!」
「な、なんで?なんで?え…捕獲するとか?」
「ちがうよー!さいごはりゅーげきほうでとどめなのーっ!」
あちゃー。これはビッケがいくない。
確かに「とどめの一撃」に関してガンランスほど華のある武器は無いのです。これは、気がつくべきでした。と、言うよりもガンサーは常にこの出番を伺っていると考えておくべきでしょう。それは覚えておきましょう。
ラストはグラ。
グラに関しては思いがけない、というのは無かったですが、扱いの難しいヤツです。上の「口出し」に関係するのですが、ひめの好きにやらせてさほどの大差の出ない相手と、ポイントを押さえていないとやたら大変な相手というのがおりますが、明らかにグラは後者ですね。
特に「砲撃」の使い方がテクニカルに決まるとものすごく有利に戦局を運べる、という点をどうしたもんか。「胸腹破壊は砲撃が良いんだよ」で済むなら良いのですが、砲撃そのものがうまく使えてないひめですんで、それを言うなら立ち回りの基礎そのものをやれ、と言わなければいけなくなります。
カタクラフトなんか突破してんだからひめガンスもそこそこは出来てんでしょう?とお思いかもしれませんが、実際のところはバサル戦でバックステップで毒ガスへ突っ込むは(ほぼ、毎回…笑)、「上の方ってどうやって攻撃すんだっけ?」とか言い出すは、走り回ってるモンスターに竜撃砲かまそうとするはと…ま、そんな感じなのですよ。サイドステップしてんとこなんか見たことないしね。
無論本人が「うまくなりたい!」と言うならば練習に付き合ったらよいんですが、そうでもないものをあーやれこーやれとは言いたくないのですね。実際言わなくてもそれなりに突破はさせられますし。
この辺りの問題というのはモンハンが続く限り続く問題かもしれませんね。
といった感じであれこれ考えたクエでした。ナニ、いっつもそんなあれこれ考えてんの?という感じかもですが、ええ、考えてます。これは「意識して」考えてるのですね。
それは(細かいところを意識的に考えるのは)、中の人はなんとなくアタッカーハーフの中核に据えるべきものが見えてきたように(畏れ多くも)思っていることに関係があるのです。据えるべき、というよりも中核を支配している感覚、とでも言いましょうか。
フラジャイル・フラジリティ
それがアタッカーハーフの中核をなす感覚です。
さふぃさんは盛んにご自身のボウガンの扱いを「裏」と表現しておられましたが、これは「メジャーではない」というレベルではなく、まったくのところ「表裏の裏」でした。
ていうかそもそも「フラジャイル」って何よ、という話ですが、そりゃあもう大変な話になりますので例によって頁を改めるのであります(笑)。
例えば一週間で使う「生命の粉塵」の数が50だとすると、その50の内訳とはすなわち「竜の牙×50」「不死虫×50」「竜の爪×50」なわけです。大変な物量ですね。
不死虫なんかは光蟲の補填やお金稼ぎのハイパー素材採取ツアーなんかの際にちくちく補填されるのでそうでもないのですが、竜の牙・爪というのは大変です。
とは言ってもこれまでビッケはあまりこの牙・爪に頓着がありませんでした。何となればP2時代に竜の牙×990・竜の爪×500の常時ストックを実現していたからでして(要するにかつての1列)、これを食いつぶしつつこれまでやってきていたのです。
んが、これがさすがに底をついてきました(特に爪)。んー、どーしましょ。
いや、その辺は流石に買うでしょ、とも思うのですが、それもおもしろくない。なんか狩りの日々に組み込みで補填したいじゃないですか。
そこで目を付けたのが、これまで「空気」だった「下位・簡単」のクエストです。この「下位・簡単」という難易度は集会所の☆1・☆2のクエストに当たりまして、集会所のくせに村より弱えんじゃね?という感じの「お試しコース」となっております。この範囲というのはお試し故に報酬もお試しモードなんですが、ここが狙い目。モンスター固有の鱗とか甲殻とかあまりくれない代わりに、竜骨とか竜の牙・爪とかの元祖汎用素材(笑)が多く出る。この辺りを攻めたらどうよ、という感じです。
ゲネポスU
さて、そうなりますてえと防具(というかスキル)もひと工夫欲しいところでして、上のクエで竜の牙・爪を狙いつつもフィールドで採取も狙いたい、という感じ。
すなわち「激運・採取+2」の同時発動を目指したいわけです(下位・簡単もフィールドの採取マップは下位と同じ)。牙・爪は剥ぎとりじゃ出ないんで「激運」が有効ですかと。
これがね?Gクラス装備なんかじゃパピメル(採取)に装飾品で一発なんですが…チョウチョは中の人のリアリティーの範囲外、というのが問題です(笑)。
で、あれこれあさって見ますとゲネポスU(キンキラのやつ)に「運気」がついている(一揃えで「幸運」まで発動)。スロットも非常に豊富なのでこれをベースにするのが良いでしょう、ということで剣士・ガンナー装備をどじゃーんと作製。あ、頭は「キャップ」の方が優秀なのでこれを共用で(下位・簡単狙いなら防御力は関係ないしね)。
これに装飾品をぶち込んでいきますと
激運・採取+2・氷耐性-10
となります。
良いね、良いね、という感じで(あ、上位ゲネ素材は上位砂漠採取ツアーでたくさん取れます。剥ぎ取り装備でGO)。
クエストごとの期待値
ではこれででっぱつなのですが、どの辺りが有効なのかクエストごとの特性を見ておかないといけませんね。ま、このあたりの数字はP2準拠なんで、実際どーなのかはわかんないんですが。
まず竜の牙・爪の確率を並べてみます。
ドスガレ・砂漠(夜) 竜の爪×5 20%
魚竜のキモ・砂漠(昼) 竜の爪×5 25%
フルフル・雪山(夜) 竜の牙×5 15% 竜の爪×5 15%
ガノトトス・砂漠(昼) 竜の牙×5 10% 竜の爪×5 10%
ゲリョス・沼(昼) 竜の牙×3 22% 竜の爪×2 22%
レウス・森丘 竜の牙×5 10% 竜の爪×5 5%
レイア・密林(昼) 竜の牙×6 10% 竜の爪×3 5%
といった感じ。
さらにこれにフィールドでの採取の有効性を鑑みるのですが、ここではとりあえず不死虫を狙ってみましょう。下位フィールドでの不死虫入手の期待値は以下の通り。
雪山 2番:2
密林 2番:2
砂漠 1番:1 (6番:1) 7番:1
沼地 8番:2
森丘 9番:2
似たり寄ったり、という感じでしょうかね。
大体以上のようなデータをもとに「定番」クエを決めていきますとこんな感じ。
沼地・ゲリョ
報酬数は少ないものの牙・爪の出やすいゲリョ。割と鉄板です。
さらに沼地では錬金発動でアオキノコ1撃×20のうま味もあります。アオキノコの補填の必要がある場合はこれで決まりでしょうか。
砂漠・ドスガレ/ガレオス
竜の爪狙いならこれ。んが、どっちを選ぶかが問題。キモクエの方が昼なので不死虫入手率が上がるのですが、このクエストキモ出ないときは結構出ません。こちらを選ぶなら大剣・ハンマーなど武器で叩き出しやすい様にしていかないと芽が出るかもです。
その他
上の2つがスタンダードですかね。では残りは要らねーじゃん?というとそうでもありませんで、立ち回りの「練習」をかねて、という場合は残りのメンツからチョイスというのもありです。
ゲネUを遠近両方(眼鏡みたい)作ったのもこの「練習」のためで、日頃片手剣率がうなぎ上りな昨今なんで、他の武器の基本も錆びない様に組み込んでおきたいのですね。
無論集会所下位ではそもそも動きが従来モーションですんでGクラスの練習とするにはかなりしっかりした課題を持って挑まないといけないですが。
そんなこんなで。
数字を見る通り、最効率でまわっても「1週間分・各50」の確保のためには10クエストオーバーでやんないといけないわけです。この点「練習」の視線を外すと痛いことになりますね。
でもまあ「土曜日はリカバーの日」とかしといてちょうど良い感じでしょうか。あれこれ新武器の試運転にも良いですし。1武器種ずつ全武器種やったらちょうど良い感じかしら(笑)。
補足
このリカバー期間中はトレニャーさんも牙・爪モードにしておくとなお良しです。
竜の牙:雪山500pt
竜の爪:沼地300pt
あたりの帯域が良いでしょうか。
また、不死虫狙いでの「虫の木」のハンマー選択は「しろねこハンマー」が良いでしょう。
ま、「〜が良いでしょう」とか言ってもあたし以外誰がこんなんやるんだ、という気もしますが(笑)。
「に゛ゃー!3オチじゃんかー!
うぎゃああぁぁぁーん!」
あー、いきなりひめちゃん大爆発しておりますな。
さて、カタクラフト。
大方の予想を軽々と大幅に悠々と飛び越えまして、
ビッケ2オチ・ひめ1オチで5分で華麗に3オチ(TT)。
なんでーだろー、なーんでーかにゃー(笑)。
「ヤダヤダヤダヤダー!!
もっかい!もっかい!もっかーい!!!」
あ゛ー、う゛ー。
そもそもですね、ええ、中の人は昨日会社をお休みしているのですよ。今に至るも、とーっても気持ちワリーのですよ。
いえ、キ゛モ゛チ゛ワ゛リ゛ーのですよ。今風に略せば「キ゛モ゛イ゛(書いてるだけで悪化しそうだ)」。
そんなですんで、今日もお昼も食べられません。
その中の人を見つつ、自分のお弁当をモギュモギュ食べながらひめは言いました。
「うぉあえ?うぃっげ、おいるうぁえあいを?」
(訳:あれ?ビッケお昼食べないの?)
食いながら喋んな。ていうかリアルであたしをビッケと呼ぶな。
気持ちわりくて食えねーつーとろーが、といいますと、「ふーん」とちょっと可愛そそうな顔をするひめです。
珍しい表情ですが、ひめにとっては相手が誰であれ、「ものが食べられない」というのは大変に悲劇的なことなんです。レベル4ハザードなわけですね。
んが、それも一瞬のこと、ひめ様におかれましては情け容赦など微塵もないのでして…
「でもカタクラフトはいくんだよ?」
てなもんです。へいへいへい…………鬼か!
そーいった調子でのスタートでしたんで、いきなり結果は文頭の如し。いやもう今すぐにでも帰って寝てえんですが…とは言ったものの、やはり3オチ終了は腹立たしいわけで…。
大体体調不良を差っぴいても…ひめちゃんこれぜんぜん見えなくね?
「う、そーかも」
という感じ。旧火山4番が黒グラと一体化して、というのはP1の頃から周知のことですが、いやまったく見えねえ。さてどーすべいか。
で、消しましたよ明かりを(笑)。
クエストのために部署の明かりを全消灯しちゃうという暴挙に出たひめ&ビッケの傍若無人コンビです(良い子は真似しないでね?)。誰か来たら相当ヤバイ雰囲気です。エ、エコですよエコ。ハンターは地球に優しくね(違。
そんなこんなで。
あれこれの犠牲を払いつつ(笑)、黒のカタクラフトの速攻リベンジ編です。
G☆3 黒のカタクラフト
このクエストは旧火山において黒グラ×2を狩猟する、というもの。いわゆる双璧ですね。
P1時代のこのクエストは、スタート4番で1頭目を捕捉してしまうと、そこでの戦闘状態が崩れない限り合流はない、というナンチャッテ双璧でしたが、今作ではグラも移動するのでそうもいきません。
んが、今回はともかく(笑)、ソロでやってる限りだと4番で戦闘が続行してる間はもう1頭入ってこないっぽい?と思わせる6番うろうろも散見されます。こちらがエリア出ちゃったり力尽きたりすると合流が発生するのですが。
片手剣の基本的な立ち回りに関してはすでに「炎神剣アグニ」の際にまとめてあるので参照のこと。
今回ひめはガンランス(アビス)でして、前回問題だったスキルに関しては武器スロットまで駆使しての構成で「心眼・根性・ガード+1・鈍足」という線にまとまりました。鈍足がマイナススキルですが、回復アイテム弱化に比べたらかなりましといえましょう。
ガンランスの立ち回りに関しては…頁を改めまして(笑)。結構使用するガンランスやスキルや何やらで立ち回りのバリエーションが膨大になるのがグラ-ガンランスです。今回ひめはガード性能+1でとにかくサイドタックルと回転尻尾をガードし、その後の隙を攻撃。最大の懸案である火炎ガス(ガード不可)は「くろいケムがでるとバフン」をとにかく覚えていただきまして、後は出たとこ勝負、といった感じ。
さて、ではクエストスタート…なんです、が…。
ビッケ最深部8番、ひめ4番1頭目の前でのスタート。
「ペイントして発覚したら、それでいいからっ!無理して攻撃スンナー!」
といきなり必死な声のあがる中の人です。
いきなりクライマーックスッ!
そうしておいてビッケは走って走って(途中7番であくびしてるもう1頭にペイントして)6番へ。うねうね溶岩流脇を走り続けますが、あーうち!ひめ体力削れてんじゃん!回復しれーっ!
「にゃはははー。あたっちった!」とかのんきなひめですが、ビッケが6番第3コーナー(?)を曲がったあたりで「ギャー」。
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
(見たくない開始1分時のひめ体力の現実)
いきなり根性発動してんじゃーん(T△T)。
うわあぁーん!ビッケ選手6番第4コーナーを回りまして最後の直線でえぇぇーす!
「びっけぇぇぇー、はやくっ!はやくーっ!ひめしんじゃ…あっ…」
ひめは力尽きた(ごーん)。
皆さんご存知かと思いますが、モンハンは3死したらクエ失敗です。てことはまだ2死もできんだ!わーい!グラにペイントしただけだけど、わーい!うつろな顔した万歳の顔文字ってないのかしら、わーい!こんなか?→ヽ(゚Д゚)/ワーイ
はぁ。
気を取り直しまして、ここからはビッケの仕切りで。ひめを待って、落とし穴大タルG連発の常套コースへ。
こうなりましたら後は特に何事もなし。社会的なあれこれを危険にさらしてまで明かりも落としてますので(笑)、今回はばっちり黒グラも見えております。ひめもサイドタックルと回転尻尾は大体ガードしてますんで、火炎ガスでぶっ飛んだところを広域回復、として順調に戦局は推移。
ひめ・ビッケともに落とし穴&タル爆Gはしっかり調合分持ってきてますので、胸・腹破壊・尻尾切りと行きまして、3エリアくらいを転戦しつつ(間にもう1頭の相手を少々)、1頭目討伐。
2頭目も同じく…とはいかずに今度はビッケが壁際に押し込まれてさらに1死献上しちゃったりもしましたが(このあたりはまあ、フツーの死に方です…笑)、こちらも胸腹破壊で討伐と相成りました。あ、2頭目は尻尾切れないうちに討伐しちゃったんだった。
常套コースに乗った後は特筆することもないですが、アタッカーハーフ的にはちょっと勘違いをしていた黒グラでした。いや、ひめグラ嫌いなんでグラ戦でサポートしたのが初なんですが、攻撃ターンと回復ターンを分けて取り組むタイプかと思ってそうやっちゃたんですが、こりゃ失敗でしたね。扇ビームのなかったころのグラだったら良いんですが、今のグラはこのやり方は危険ですし、扇かどうか見極めてから回復に入っていたのでは大変「遅い」です。
ひめを回復するタイミングが著しく遅れる、ということはないのですが、こちらの攻撃チャンスが確実に減ります。黒グラに関してはナルガなどと同様に常に斬り込むコースを取って、斬り込みの一手分で回復をする、というタイプでやるべきでした(片手剣は斬り込みコースを取っちゃえば何ビームであろうと関係ない)。
そんな反省を含みつつ…2頭目討伐で「バンザーイ」なひめ&ビッケなわけですが、相変わらずリベンジがすがすがしく終わるということがありません(笑)。
同時にグラに駆け寄り剥ぎ取りを始めた二人ですが…
「「天殻出たー!」」
「……………」
「……………」
「なーんか、ありがたみがなーい」
「んだよ、そっちも出たのかよ」
「いーじゃん!ひめに出んのはあたりまえでしょー!なんでびっけにも出んのよっ!2回で3死もしたくせにー!」
「あ゛ー!そーゆーこと言う。おまいなんかビッケの粉塵がなかったら何死してんと思ってんのさ!」
「い、いーんだもんっ!ひめが死ぬのはあたりまえだもんっ!」
「むきーっ!」
と、いうことで。お昼から帰ってきた方々の「暗くしてナニケンカしてんだ?」という冷ややかな視線を盛大に受けつつ、今日の昼休みも終わっていくのでした。
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