「zzz…んあ?イヤー行ってないけど」
「いきたい!いきたい!」
「あー、なんだっけ(大あくび)、また大連続だっけ…」
「なんかきっとすげーんだよ、水上だもん」
「んー、砂漠の7番みたいなもんなんじゃねえの?」
「いいのー?クエはっちゃうよー?」
「良いよ。でも何が出んの?」
「えーと、ふるふるとー、しょーぐんとー、がのとー、でぃあ」
「4匹も出んのかよ」
寝不足モードで頭の回ってない中の人はこの時点で自分がナニしようとしているのか分かっていません。いえ、結局ナニしてたのか分かったのは終わった後だったんですが(笑)。
(ギャーオ!ワーオ!ビシベシキュピーン……絶賛クエ中)
「おー、4匹も出て来たのに結構すんなり終わったねえ(目が覚めた)」
「ちょーよゆーだしー」
「む、いやあんたとっても宙舞ってたし。ビッケたくさん回復したし…あれ?そういえばディア出てきたって、これG☆3なの?」
「そーだよ」
「あれ?ひめラオ出したくて消化してたんじゃん?ラオはG☆1と2消化すりゃあ良いんだよ?」
「いいのー!すいじょーとーぎじょーに行ってみたかったの!」
「あ゛ー、ちょっ、おまっ、今の「葬礼」じゃねえの?ぐわっ(クエを確認している)報酬が…さ、さんまんろくせんぜにいぃぃ?これって結構難関クエだったんじゃねえのか?いいのか、こんなノリだけでやっちゃって!」
「いーじゃんクリアしたんだから」
「………そう?」
ということでこの日は「狩人のための葬礼」でした。それを理解したのはクエの後だったのですが。
結局ひめ:ドドドG、ビッケ:闇夜剣【昏冥】で25分丁度で無死クリア。ひめは「ふねのりたーい!」とかキャーキャーはしゃいで水辺をかけずり回ってましたし、ビッケも「ピクニックで来たいねぇ」とか畏れ多くも超のんびりモードだったんですが…いーのかこれ。
なんてね。「いーのか?」なんて言いながら、実は中の人はこのクエの後あるひとつの確信にいたり、一人で「おー、キタキタ、きたんじゃねー」とニマニマしていたのです。
さて、何がキタのか?
上達の仕組み
何かに上達する、ということには何事によらない一般的な仕組みがあります。
何とも大上段な話なのですが、ちょうど良い機会なので。
自分の頭で構築するか師匠から教え込まれるかはともかく、その端緒にあるのはパースペクティブです。このようなものであるのであろうという「見通し」、あるいは、このようなものであるのであるという「教則」があって、そこを検討することからはじまるのですね。
この基本の位置は、この国の文化では「真の位(しんのくらい)」と呼ばれていたものです。
「書」に楷書・行書・草書とありますが、その楷書は一名「真書」といい、この「真の位」の意であることを表します。書に限らず古典芸能一般にある仕組みですが(例えば「序・破・急の位」などもこれにほぼ同様)、表し易いので書をあげてみました。少々分かり難いかもですが、先にこの全体を概観してみましょう。
この真の位に見られる最大の特徴は「時間の捨像」です。真書(楷書)を見ると分かる様に、そこに表されているのは文字の「構造」です。現実的には「書く」という行為そのものに時間が流れるので筆運びはあるのですが、究極的には時間の流れを止めたところに浮かぶ「型」そのものを表しているのですね。
そして、その「型」を「予約された時間内」で履行することを「行・行の位」と言います。だから型の稽古は「修行」と言うのです。「予約された時間」というのは、あらかじめ何が行われるか決定されている状態を表します。
一般に書における行書は「ちょっと崩れた字体」くらいに見られていますが、そこにある本意は上に述べた様に文字から文字へ時間を意識的に流して筆を運ぶこと、です。しかし、この「流す」というのも難しいものでして、ただ流せ、と言われても中々流せるものではありません。そこで、「流れていく方向」をあらかじめ決め、それをトレースするのですね。これが行の位です。
最後が草の位。
これは予約されていない「時間そのもの」へのコミットを表す概念です。予約というと時間に関するもののようですが、実は予約とか時間割とかは、おしなべて「時間を空間に転写」して表すところに出てくるもので、時間そのものは予約も分割もできません。もとより「時間の本質には過去も未来もない」のです。
あんまり小難しい知恵の輪をここで持ち出しても詮無いので、ここではあらかじめどうするか・どう書くかを予定しないのが草の位である、草書である、と思っていただければ良いでしょう。厳密に言えばお手本をもとに書いた「草書」、もっと言えば書く前にどう書こうか決めてしまった「草書」は、実のところはすべて「行書」なのです。
一体なんの話をしてるんだという感じですが、中の人はこういった古くさい文化の中で育ってしまったので、基本的な思考回路がこうなっています。この先あれやこれやと書くものにもその影響はあるのでしょうから、この辺りで楽屋裏をちらっと、ということでした。
さてさて、ではお話を現実に引き戻しまして(笑)、「上達」に関してですが、こうしたらこうなる(だろう)、あーしたらあーなる(だろう)式のパースペクティブがあり、これを実際の行為の中で確認していくのが真の位(見通し)から行の位(検討)にあたるわけです。
今回のことで言うならば、ここでモンスターに対してこの位置取りができれば安全に回復できるだろう、とか、より大きい枠では、こちらがこれこれのサポートを請け負えば、クエスト全体のパフォーマンスを上げることができるだろう、とか言う見通しがあり、それを実際のクエを通してひとつひとつ検討していくわけです。予定したことが予定通りできるか、不確定要素は何か、要するに理屈と経験の擦り合わせです。
イメージの中ではうまく行くのに、実際やるとうまく行かない、というのは当たり前のことでして、イメージというのは「無時間」なのです(実は音楽ですら、イメージは無時間です)。これを実際の時間の流れにいきなり放り込んでもその変異についていけないのは当然です(そもそも「止まって」いたのですから)。逆に、イメージをいきなり時間に放り込んで流せる人のことを「天才」と言うのですね。
ちなみに柔軟で射程の長いパースペクティブをいきなり形成する才を「才能」と言います。また、理屈倒れの人、というのは真の位と行の位のギャップに耐えられない人のことを言います(笑)。
自分は天才なのにおっかしいなーという方は処置無しですが(笑)、天才ならざる身との自覚があるならば、真の位から行の位へ移行するための「修行」、今風に言うならば「企業努力」は必要不可欠なわけですな。わけですよ?ひめ様?
ところで、ではこの検討の段階がすんでうまく行ったら完成なのかと言ったらとんでもありません。完成どころかまだスタート前ですね。この段階のパフォーマンスの特徴は「遅い・融通が利かない」です。行の位というのがあらかじめ決められた路線のトレースなんですからこれも当然ですな。では、その後はどうなるのか。
端的に言えば「身に付く」のです。行の位の集積が、自身の内部に新たなスキーマを形成し、それが自然と発現できたら「身に付いた」と言えるわけです。これがさらに安定して発現する状況のことを「板に付いた」と言いますね。
この日ビッケは「葬礼」において、中の人もびっくりするようなことをやっておりました。ビッケが回復薬を飲み始める時にはフルフルの放電はひめに達していなく、ショウグンの鎌はひめを刈っていなく、ガノの尻尾はひめをぶっ飛ばしていなく、ディアはまだ飛び出してはいないのでした。ビッケは「ぶっ飛ばされた」ひめを回復するのではなく、「ぶっ飛ばされる」ひめを回復していたのです。
無論あらかじめ予定してこれを狙うことはできますし、その「見越し回復準備」が重要であることは前回も述べていました。が、それを予定のトレースではなく、なんの考えもなく(眠かったのです…笑)自然とR+□ボタンを押していた中の人には、広域回復に関する新たなスキーマが内部形成された、と考えて良いでしょう。扉は開かれたのです。
無論それはまだうまく行ったり行かなかったりということで、いわばビッケは「下手」なのです。が、この「下手」というのが重要でして、「下手」の本意とは「上手」と同一線上にはいる、ということなのです。何事もここが大変なところです。何となれば、これ以前の最初の真・行とは未だ「門前の小僧」であり、まだその「線」に乗る前なのです。
あるいは最初の「真の位」が「不本位」なものであれば、「上手に至る線に乗らない、下手にすら至らない」ということにもなってしまいます。
さて、これが上達の仕組みのもっとも大事なキモなのでした。パースペクティブを立て、検討し、それが身に付いた時に自分が遥か先へ続く線上に乗っているか否か。乗っちゃったら後はやめない限り上達します。身に付いた新しいスキーマをもとに新たなパースペクティブを形成し、検討し、身に付け、そうしてまたそのスキーマをもとにパースペクティブを展開し…という繰り返しが螺旋を描いていくのですね。
いずれにせよ、この日ビッケはようやくサポートの何たるかに実質的に踏み込めた、と言えます。諸般の事情で(笑)あちこち出没しちゃったり、門前の小僧であれこれ書いちゃったりしてましたが、本来は本日をもってこの道の諸先輩にご挨拶に伺うべきだったのでした(いやもう恥ずかしいのでここで失礼しますが)。
それでは皆様、これからはじまる「アタッカーハーフ・ビッケ」の生涯をひとつよろしくお願いいたします。
しかし…「葬礼」からはじまるってのも皮肉なもんですな(笑)。
- 何かかっこいいですね
「アタッカーハーフ」をパーティープレイでちょくちょくやっているアンダーです、まだ修行中ですけど(笑)
今回の記事、なんとなくですけど理解できたと思います(たぶん)
それはそうと、「葬礼からはじまる」っていうのも何か詩人っぽくてかっこいいですね。
僕も一度で良いからそんなことを言えるようになりたいです(笑)
- Re:何かかっこいいですね
む、カッチョヨイですかね。あたしとしては「誇りをかけた…」とかが良かったですが(笑)。
まー、今回はちょっと畑違いに深入りしすぎな感じになってますが、以前からゲームの話がゲーム内で閉じすぎている点が気になっていたので、これからちょくちょく「底の抜けた」(笑)お話が混じってくるかもです。
ゲーム以外の分野じゃあ他分野の「方法」を持ち込んでみて、ちょっと噛み合わせてみて、その化学変化を楽しむなんてのはごく普通のことなんですが。
- いやはや身の引き締まる思いですよ
まだまだ門前の小僧なのに偉そうにっ><;
でも、たまに自分のイメージ通りにクエストが動くことってありますよね。
弓の場合だと次のターゲットが誰か完璧に当たったり、自分の思うとおりにタゲを操作できたり
白魔導師だと吹っ飛ばされた瞬間にはもう照準合わせてたり
そういうときは、自分SUGEEEEEってなるのですが、如何せんその場限りってのが辛いのですよね。
うーーん精進しますっ!
- Re:いやはや身の引き締まる思いですよ
「諸先輩」の筆頭が何をおっしゃる(笑)。
大体あのひところの「ぶち当たり」から、大して間も空けずにイベントの開催という形にうって出た様はもうNoIさん光り輝いてましたよ。
サポートのとどの詰まりが「ハンター達が楽しく活躍できるように」との願いであるならば、NoI'sイベントは究極の超広域サポートですよね。と、いうことでしょう?
さて、上の補遺ですが、確かに焦点となるのはパフォーマンスの再現性です。
それが「身に付く」「板に付く」ということであるのですが。この点に関して「情報の伝達・取得には受容側にそれを受ける『受容体』がないとうまくいかない」というものがあります。
提示される経験が凸型ならば、受け手側に凹型がないとすんなり受け取れない、ということですね。漠然としたボードにジグソーパズルの一片がポンと置かれてもそれがどこに位置するのかは不明ですが、まわりのピースが埋まってきていたら「あ、ここの絵だ」とすぐわかる。そんな感じです。
本邦古典芸能における「真の位」の真骨頂とは、その受容体を予め内部に構築してしまう、という点に有ります。ハマるピースがポンと出たら(それが「おお、今スゲかったんじゃね?」という経験なんですが)即座にはめ込んでモノにしてしまえる。
このあたり現代思想はつい最近になって取り組み出した分野ですが、古典芸能では最重要事として整備されてしまっている。千年の知恵ってやつですかね。
あ、あとNoIさんは全然「偉そう」じゃないですよ。そこをそう受け取る人は真剣さとの見分けが付かない人であるというだけでしょう。もっとも先へ行って振り返って読むと赤面するようなことを書いちゃうものですが、そのくらいでないとそもそも表に出す価値がないでしょう。それが他者を活かす手法への取り組みであればなおのこと。何一つ臆することなどないのです。
あれ?なんかさふぃさんぽくなってきたような(笑)。
- サポートはオレの範疇外
を信じているサキムラです。(ただ、回避は最大の防御っていうのも信じてますけど)
攻撃しているだけじゃいけないんですよね。回避、アイテムの使用、etcクエスト中は色々な動作をしますが、攻撃しているだけのクエストは中々ないですね。
そう考えると、支援をクエスト中の行動の一つにできればすごいんじゃないかな~とも思うんですが、どうでしょう?(自分でも書いてて意味が分からなくなってきている)
ああ、ちょっと小説かいてみました。
感想は向こうなり、こちらなり、どこでもどうぞ。(書かないってのも一応ありですよ?(笑)
- Re:サポートはオレの範疇外
うーんと、うーんと…こりゃあ分からんのです(TT)。
攻撃の立ち回りの中にサポートを織り交ぜていく、という感覚については前回ナルガのとこで少し指摘してありましたが、あんな感じのことかしら。あの路線は罠の高速設置とかを前面に押し出して、広域+2を外していくことにより花開く分野でもあるのですが、今はまず回復第一ですね。
このあたりに関してはサポート用の立ち回りというのが今のところキモになってまして、片手サポートであるが故の対○○の立ち回り、といった練習課題を模索しているところです。
また、モンスターを怯ませる・転倒させるという方法で攻撃しやすい状況を作り出す、という方法が一方でありますが、これかしら。これが今回難儀になってまして、怯まねーはなんだはで、クエ全編を通したときにそこに特化する意義が下がっちゃってますね。
お、書いちゃいましたか、書いちゃいましたか。
なるほど。いかにもサキムラさんらしい直球です。ありそうでないゲームスタートそのままのストーリー化ですね。しかもあそこの怪我で近接からガンナーへとは…これってティガが永遠のライバルになりますの?
ていうか初回でラストまでの「あらすじ」書いちゃダメですやん!そりゃあ直球過ぎますって(笑)!
でも、ゲーム的な攻略内容をストーリーの中で、というのは面白そうですね。シュガシュガさんが近いのかしら。やはりここはクエストの依頼文がきちんと内容に取り込まれているストーリーにしていくと幅が出るんじゃないかと思いますよ。ていうか依頼人やその文章内の人を出しちゃえば良いのか。
- ひとこと
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