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HUNTER's "B"LOG
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これから書かれるものは、本来遥か未来のHUNTER's LOGにおいて書かれるべきである一文です。いや、書かれる「べきではない」一文かもしれません。何となればそれは言説によってではなく、存在そのものによって示されるべきものかもしれないからです。

これはデジタルゲームそのものに関する考察です。
あるいはネットワークそのものに関する考察です。

今の中の人はこの点に関してモンスターハンターと直結してお話しすることができません。その連結は、まだまだ多くのステップを経たあとに可能になることだからです。なので、これからしばらくここの記事には「モンスターハンター」そのものが出てこないかもしれません。

はなはだ面白くない展開かもしれませんが、ご了承ください。

いつかあなたがたった一人で立って歩かなければならなくなる日のために。

今のHUNTER's LOGにできることは、このくらいしかないのです。


諸注意

これ以降書かれることは場合によってはあまり愉快なことではありません。現在ある環境に居られる方々には、少々つらい。しかし歯に衣を着せて書けるほど余裕のある内容でもない。つらい、と思ったらスルーされることを推奨いたします。

また、これは何らかの結論や処方を示唆するものではありません。ここに展開するいくつかの思考の核が、いずれそれぞれモンスターハンターとの関連を持って独立した「モンスターハンター論」になるべき、いわば種子です。

さらに、これは理論武装による自己の強化を促すものでもありません。もとより中の人は「理論武装」などという概念そのものを捨像しています。提供されるのはただひたすらに、自らの脚で立つための、自らの足で歩むための足場です。たとえ「お前の言うことはおかしい」という感想に至っても、それはそれでひとつの足場でしょう。

では、毎度恒例の言い訳めいた(笑)前置きはここまでです。

この種子達が良き風に運ばれんことを。
その行先が良き土地に恵まれんことを。

 

 


はじめに

「どこを考えたら良いのか、というのが、一番の考えどころなんです。それは、どんな問題でも同じです」犀川は煙を上に吐きながら独り言をいった。「それを、糸口、と言っているんです」

---------------------------------------------森 博嗣 『笑わない数学者』


直裁な言い方をするならば、現在のデジタルゲームをめぐる喧々囂々の詰まるところは「それは善なるものか、悪なるものか」という議論です。

曰く脳がおかしくなる。曰く情操の発達に問題が出る。思考が停止する、まともな社会生活が送れなくなる。引きこもりの原因である。
いやいや、待て待て、これは新しいコミュニケーションの場の発生なのである。新しい頭の使い方の発生なのである。上手に取り組めば実生活を豊かにするものなのである。キケンに見えるのは今までも新しいメディアが出現した時に見られた防御反応と一緒なのである。

このような議論の積み重ねは不毛です。なぜか。上に書かれたようなことは「全部あってる」からです。ゲームは脳をおかしくさせます。情操の発達に問題を出します。思考を停止させますし、社会生活に支障を来させますし、引きこもりの原因となりますし、さらには助長させます。
そしてゲームは新しいコミュニケーションの可能性であり、新しい視点と思考の可能性ともなり、それは生活を活性化させもします。
そして多くの「ゲームバッシング」の実態は予想通りの「新しいものへの不安とその煽動」という底で割れます。

つまり、考えるべき点はそこではない、ということです。いえ、無論そのひとつひとつの実際がどの様か検討することは必要ですが、そのような各論ではなく、大局を見渡すにあたって取るべき視点はどこか。「どこを考えたら良いのか」。

この一文はデジタルゲームとネットワークをめぐる諸々の問題に、そのような「糸口」のいくつかを見いだしてゆく試みです。

上に述べた様に、デジタルゲームには弊害が「あります」。ネットワークにはもっと弊害が「あります」。ですから、ここで「そんなのは年寄りの世迷い言だ」式の展開を期待されても、そうはいきません。

弊害は「無きゃ困る」のです。

では、最初はその「弊害」そのものをめぐる考察から始めましょう。

 


絶対値としての強度

「いーものもある、だけど、わるいものもある」

------------------------------------------YMO×Snakeman Show 『増殖』


「善し悪し」というのは人間が考え出した「概念」です。人の視線を除いた世界にそれは無い。つまり現象そのものに善悪は無い。では何があるのか。

そこには絶対値としての強度のみがあります。

あまりにもよく使われるたとえが「包丁のたとえ」ですね。
包丁は肉も切れるし魚もさばけるし、野菜も刻めるし果物の皮も剥けます。そして、人を殺すこともできます。
包丁は善いのか悪いのか?そりゃ使う人間次第でしょ。というやつです。

包丁の「良し悪し」をいうなら単に良く切れるか切れないかです。そしてその「強度(良く切れる)」はプラス(料理)にも、マイナス(殺人)にも等しく有効です。

これが絶対値としての強度です。大きなプラスを与える可能性を持つ何かは、そのままの絶対値をもってマイナスへ反転した悪にもなる。なけなしのプラスしかもたらさない何かは逆に転んでも大したマイナスにはならないわけですね。

大きなプラスの可能性を見込めるものは、大きなマイナスが引き出される何かでもあるのです。常に。

これはデジタルゲームとネットワークの話です。それが悪い影響をもたらさない「程度のものならば」、そもそも語るに足らないのです。

それらには大きな可能性がある。だから、大きな弊害を生み出す可能性もある。これが本質です。善か悪かの議論をしても仕方が無い。あるいはその弊害から目をそらしても仕方が無い。

高強度を持つ現象を前にするときの基本スタンス。そこで必要とされるのは「プラスマイナス双方を等しく見る覚悟」です。当事者にとって特に必要とされるのはマイナスをしかと見据える目ですね。

弊害は無い、では困る。それはこのような意味でした。デジタルゲームもネットワークも現代社会に大きな影響を及ぼしている。ここに疑念の余地はないでしょう。そしてその影響は将来大きくなりはすれ、小さくはならない。つまり、高強度な絶対値を持つ現象であることは疑い様が無い。

だから、弊害はあるのです。


外部化した脳

現代の問題とは、つまり脳の問題である。

-------------------------------------------------養老孟司 『唯脳論』


デジタルゲームとネットワークの母体であるコンピュータとは、すなわち計算機です。モンスターも萌っ娘も数値の集合です。

ヒトにおいて「数を数える」という機能は最後発の機能です。脳の機能的にも最終段階で発達した部分ですね。計算機とはそこからさらに延長された機械であるといえるでしょう。

脳とは何か、ということは百万語並べてもどうこうなる問題ではありませんで、事実世界中にそれを明らかにできる人間はいません。人によっては意外に思うかもしれませんが、ヒトの意識を代替する「強いAI(人工知能)」の開発は、20世紀からほとんど進展がありません。

が、単純にその基本的な役割を述べることはできます。脳は身体の各器官を調整する器官です。運動においては「予測」をする器官です。まずはこれで十分です。

「予測」をする器官。という点が重要です。踏み出す足が自身にもたらす影響は何か。それを脳は予測し、その「踏み出し具合」を調整するのです。これは比喩じゃないですよ?端的にネコが歩いてるところでも想像してくださって結構です。

予測と、その後実際どうだったかの情報からフィードバックを受け、さらに次の1歩のための予測をする。当然予測と違う結果がもたらされれば(落とし穴…笑)、パニックを起こす。つまり、予測と結果の間には常に「不安」があるのです。予測→不安→結果(安心orパニック)→予測…というのが脳の基本的な役割です。

このうちの不安こそが脳がいやがるものです。予測に「不測」をもたらす要因。これが脳にとっての最大のストレスな訳ですね。

これはこのあと巨大に脳を発達させたサル…つまりヒト…においても同様です。むしろ顕著です。予測が言語化されてしまい、不安もまた言語化されました。ヒトにおいて不安とは単なる自然現象的なものに止まらず、「言語ゲーム」の中において発生する「不測」もまた脳のストレスな訳です(ブルータス、お前もか)。

ヒトがなぜ集団で巨大な社会を構成するのか。その最大の要因はこの「不安」の除去、脳の嫌うストレスの軽減にあると思われます。社会を構成し、「暗黙の了解(共同幻想)」で相互をつないでいけば、少なくとも「言語ゲーム」の内部における不安は減少する。さらにテクノロジーをもって外界を囲っていけば(都市の発生)、現象面での「不測」も減少する(蛇口をひねれば水が出る)。

いま、われわれは都市という「外部化した脳」の中に住む。現代社会という「外部化した脳」の中に棲む。

予測通りの結果への欲望。それが人類のたどってきた道です。

が、多くの環境が人工化され、多くの「暗黙の了解」が敷衍しても、最後まで残る「非人工(天然)」が存在します。すなわち人間そのものです。あるいは人間の身体そのものです。それは自身の身体であるとともに、「他者」の身体の介入という「不測」も意味します。

この最後のくびき(身体性と他者の身体の介入)からの脱却という欲望を根底に持つのがデジタルネットワークです。

最強の普遍言語(すなわち数値)にゆらぎは無い。計算機の扱える現象に不測はない。数値化され、脱身体化した自己と他者の間に不測は発生しない。その幻想によって立つのがモニタの向こうの世界です。

こうして身体という現実からの乖離が始まります。これがデジタルゲームとネットワークの抱える可能性と弊害の共通の原点です。いや、不測の事態と言いましょうか(笑)。


次項 「仮想的に拡大される自己・仮想的に縮小される世界」 へ続く

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  • 無題
サキムラ URL 2008/08/08(Fri)19:30:21 編集
ゲームは妙に風当たりが強いですが、別にゲームだけじゃない気もしますね。ひきこもりの助長とか、ある意味ひきこもってるからゲームやってんじゃね?と思えなくもない。

僕は、ゲーム批判に反応をしません。なぜなら、「ゲームを批判する人間はゲームにのめり込んだことはない」と思ってるからです。ようするに、ゲームのことを、ゲームしている人間の感情を実体験したことのない人間がゲーム批判しても「説得力0」なんですよね。だから全く賛成も反対もしない。それが僕の考えです。

しかし、弊害なきゃ善もないというのはとても面白いですね。絶対値の例がありますが、+1に-1かけたって-1にしかならないんですよね。それが、+10に-10かければ-100にもなる。一方で、-10の二乗ならば+100になる。いやぁ、+と-って面白いなぁ(死)

なんか絶対値の説明がすごい分かりやすかったので後半に全く反応してませんが(笑)気にしない方向で。
では。
  • Re:無題
HUNTER's LOG 2008/08/11 12:59
サキムラさんこんにちはー。

2頁目の内容を鑑みてからのお返事のが良いかしら、という感じで遅くなっちゃって申し訳ない。

わはははは。まだサキムラさんくらいのお年ですとピンと来ないかもしれませんね。これから高校大学社会人と進んでいく中で、いわゆるサブカルチャーといわれるものに耽溺して身を持ち崩していくイタイ例をそれはそれはたくさん目にする事になるでしょう。

が、身を持ってやっていない人間が批判(批評)する事の弊害というのは、確かに重大です。これは実は「それが良い」とされてきた背景の成せる業でして、正確な観測は観測対象に影響を与えず、観測対象から影響を与えられない「外部」からの視線によってのみできる、という考えが19世紀からずっと支配的だったのです。

本当にほんの数年前まで(あるいは今でも)、当事者の評価は「それは主観でしょ?」の一言で一蹴されてしまっていたのです。
ようやくここ数年「客観」というのが現実にありうるのか、ということになってきまして(主に複雑系の内部観測の問題からです)、「主観の重要性」が見直されつつある、というところですね。

あたしらの世代はもうおっちゃんになってから自分の書くものが外にでるようになった(文筆業の方以外で、ということです)世代ですが、サキムラさんのようにローティーンのうちからそれをやってくる世代は本当に新しいものの書き方、読み方を生み出していくのかもしれません。
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たーだーいーまー調整中。
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